委員会 of 偕行社

各委員会の活動

総務委員会

 公益認定等委員会との調整状況の報告、既報告の不備事項・修正事項の検討を重点に会を実施し、適時に理事会・評議員会に諮問して対応した。

慰霊・援護委員会

 月例参拝は、元幹部自衛官会員の参加(1部一般参加者を含む)が増加して参加者が80~100名となった。
 9月16日実施した市ケ谷台慰霊祭は、3名の国会議員、ご遺族、防衛事務次官、官房長、陸・空幕僚長等の参列を得て、盛会裏に終了した。
 本年は、参議院決算委員会において衛藤議員の質問に答えて厚生労働大臣が「陸軍墓地の管理は国家の責任である」旨の画期的な答弁がなされたことを受け、偕行社としては、日本会議を始め協力諸団体と協力して慰霊顕彰問題の国家的推進に一層努力して行くこととした。

『偕行』の1月号から、各地の「陸軍墓地を訪ねて」というシリーズを連載しております。
 各地偕行会にも逐次執筆をお願いしますのでご考慮、ご協力をお願い致します。

厚生委員会

会館利用者数は、本年8月まで29,226名と昨年の28,669名より若干の増加が見られたが、これは研究会・セミナー関連の参加者の増加に伴うものであり、会館の売り上げはアルコール類の減少傾向が続いている。
 また高齢会員の利用時間が昼間に限られるようになりつつある。
 談話室の一隅に16~18名程度の特設コーナーを設置し、一般自衛官等を含め小パーテイが出来るよう若干の改修を行った。
 談話室等はホームページ上では「偕行倶楽部」と名付け、その利用法等について、紹介しております。ご覧下さい。

編集委員会

駐屯地シリーズの掲載は、自衛隊OB・現職はもとより、会員以外の方からも関心が寄せられ好評を博している。
 8月号には防衛大―期生以前の戦後の幹部候補生の記事を特集するとともに61期原田太郎氏による「陸軍墓地の歴史に関する研究」を特集で掲載した。
 また、1月号から「陸軍墓地を訪ねて」というシリーズ掲載を開始した。
 機関誌「偕行」については本ホームページ『機関誌「偕行」』をご覧ください。

財務委員会

 20年度は、世界的な未曾有の株価・為替相場の変動を受け、年度予算の計画で見積もった金額どおりの一般会計を計上した。
 21年度は、15カ月の年度予算を組み20年度並みの経済状況の推移を予測して予算を組んだが、逐次経済状況の好転により、赤字幅の減少・時価資産のある程度の回復が見込まれている。 引き続き経費の効率的運用に努力している。
 なお、新法人移行に備え、21年度から従来の会計年度を事業年度とし、「毎年4月1日から翌年3月31日までに」変更した。

 【難しい金融情勢の中、細かい乗り替え等神経をすり減らす努力に敬意を表します。(理事長)】

広報委員会

広報委員会の設立について
* 防衛ニュースの提供等リアルタイムでホームページに各種情報を掲載して以来、関心を寄せる一般の人々が逐次増加し、9月11日実施した上智大学におけるノモンハン事件シンポジウムに400名を越える参加者を得た裏にはホームページの影響も挙げられるかと思う。

* 21年初めに広報準備委員会を立ち上げ、部外企業と連携して偕行社の広報キャッチコピー、ロゴマーク等を作成し、9月10日の常務会で了承された。
【キャッチコピーー」
英霊に敬意を。日本に誇りを。
(既に機関誌「偕行」の表紙及び本ホームページに活用)

【ショルダーコピー】
慰霊顕彰・政策提言・誇りと伝統を次の世代に

* 21年9月から新法人化に備え、偕行社のホームページを新たにすべく専従者を確保して準備を進め、4月以降の切り替えを図った。
* 22年2月、広報準備委員会をベースに新たに広報委員会の設置が認められた。

近現代史研究委員会

 近現代史研究会ではノモンハン事件70周年を記念してノモンハン事件を1年間取り上げて実施してきたが、9月11日上智大学の講堂を借りてシンポジウムを実施した。
 初めての部外発表であったが400名を超える参加者を得て、大盛会裏に終了し、今後の会の活動に自信とともに多くの教訓を得た。細部は「近現代史研究会を参照して下さい。

 平成22年度の近現代史研究会は「近現代史研究会をご覧下さい。
 3月16日(火)14時から偕行社で、上智大・高橋久志教授の「ノモンハン事件」特別講演を開催し、これで今年度のノモンハン研究は終了します。
 次年度は明治期からの日本の対外政策、中でも対中政策の歴史に焦点を当て研究を深めることとしました。
 5月以降は日曜開催となっていることにご注意下さい。学生や現役自衛官にも参加しやすいようにという配慮です。

安全保障委員会

 シンポジウム実施の大綱
 ・シンポジウム開催の目的
   昨年末政府が「平成23年以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力整備
   計画」を閣議決定致しましたが、我が国を取り巻く東アジア地域の軍事的脅威が一段と
   強まりつつある今日、日本の防衛問題は喫緊の課題となっております。このような状況を
   捉え「新防衛計画の大綱」について防衛問題研究の専門家をお招きし、我が国の防衛問
   題の所在を明らかにすることを目的に開催致します。
 ・ テーマ 「新防衛計画への評価」
 ・ 日時 平成23年2月22日(火)  13:00~17:00
 ・ 場所 東洋学園大学本郷キャンパス1号館(フェニックスホール)
       (住所) 文京区本郷1-26-3
       (電話) 03-3811-1696
       (最寄駅) JR総武線水道橋駅より徒歩7分、
              東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅徒歩5分
 ・内容  司会 冨澤 暉 元陸幕長
    『第1部・パネリスト意見発表 』  
       宗像 久男氏(元東北方面総監)
       加藤 保  氏(元佐世保地方総監)
       織田 邦男氏(元航空支援集団司令官)
       西部 邁 氏(評論家)
    『第2部・パネリスト討議』 (14:15~15:15)
      論題
       ・日米安保体制の深化・役割分担・核抑止・核軍縮の在り方
       ・韓国・豪州・インド等との軍事的連携は、
       ・中国との軍事交流は、
       ・武器輸出三原則緩和の実効の期待性は、
    『第3部・パネリスト討議』 (15:35~16:55)
      論題
       ・基盤的防衛力から動的防衛力へ、をどう考えるか。
       ・中国問題と北朝鮮問題の優先順選択をどうするか。
       ・対接近拒否・南西諸島防衛・国際平和協力を具体的にどうするか。
       ・防衛費の増大は可能か、人件費の削減は可能か。
     * フロアからの質問は「質問票」に基づき、討議間随時回答させて頂きます。

安全保障問題等研究会は、隔月偕行社で実施してきたが8回を数え逐次参加者も増え、部外の専門家たちにも関心が持たれるようになった。
 平成22年度の年間計画は「安全保障問題研究会」をご覧下さい。
 2月12日(金)午後、本郷の東洋学園大学内で「安全保障シンポジウム」を開催しました。部外等のパネリスト5名を招き、陸海空自衛隊、外交、財政、国民の理解等の面から日本の防衛問題について意見発表・質疑を行い、300名に近い参加者を得て盛会裏に終了した。
詳細は安全保障セミナー」をご覧ください。
 なお安全保障問題研究会の成果について、来年前半にはこれらを纏めて偕行社としての提言が行えるよう検討を始める予定です。



教育問題PT (28年1月28日更新)

教育問題PT第2回講演(28.1.28更新)
演題:中学校用教科書採択結果について

○講師:一般財団法人 日本教育再生機構
 事務局長・主任研究員 土井郁磨先生
〇日時:10月21日(水)14:00~15:30
(本講演筆記の文責は偕行社教育問題PTにあります。)

1.前言
貴重な時間を頂戴してありがとうございます。よろしくお願いいたします。
私のような若輩者がお話しさせていただき恐縮しております。ちょっと自己紹介させて頂きますと、私は昔から教科書問題に取り組んでおり、ここにお出になっている和田先生とご一緒に平成16年の杉並区の教科書問題にも取り組みました。
当時は扶桑社でありましたが、つくる会の事務局にも居りまして、和田先生等からご指導を頂きながら教科書問題に取り組み、約10年くらいやっているものです。

2.育鵬社の採択結果とその背景について
新聞報道等でご存知とは思いますが、育鵬社という教科書会社がございます。つくる会の扶桑社という会社がありましたが、基本的にはこれを継承しているものです。フジサンケイグループの教科書会社でございます。
その採択数がどの位伸びたかということですが、扶桑社の一回目は確か愛媛県の一箇所くらいだったと思いますがわずかでした。その後、平成13年、次いで和田先生が杉並区で頑張っておられた平成17年です。そして平成21年と24年の採択で横浜市とか大阪府が採択し、これで伸ばして大体4%前後でした。
今回は歴史6.5%、公民5.8%でございました。10年前から比べますと10倍です。4年前に比べましても1.7倍の飛躍をさせていただきました。
教科書問題は皆様のほうがお詳しいと思いますが、東京書籍という教科書会社のシェアは50%くらい、大体半分くらいを占めております。その歴史観というのは、近代日本と言うのは非常に悪いというか、悪いことをして国が戦争をして、まぁ反省すべき歴史を持っているのだと、平和を願って生きていこうという趣旨で書かれており、「今後は日本国民でなく最終的には地球市民を目指して学びましょう」という調子で書かれています。それは皆さんもご存知の通りです。
かつては南京問題とか、慰安婦問題等がありました。これ等に関する記述は良くなりました。南京大虐殺については「無かった」という異論もある、あるいは「実数については異論がある」という記述になっています。事件そのものはあったということになっていますが、南京大虐殺というような書き方をする教科書は一つくらいしかありません。トーンはかなり抑えられております。
慰安婦については強制連行という記述は有りません。基本的にはまぁ読めないわけでは無いですが、そういう趣旨では書かれていません。検定枠内であります。
まぁ、そういう意味では徐々に変わりつつあるわけですが、もともと歴史観自体が日本国民としての近代史、日本人としての誇りを持てる内容になっているかということになれば、ご存知の通り残念と言わざるを得ません。
ご存知と思いますが、公民の方では領土問題や拉致問題などは育鵬社よりも良い記述になっている教科書があります。教育出版などは突出して書いています。これは下村前文部科学大臣の時に教科書検定基準を変えたことによります。
検定基準で領土についてはきっちりと記述しなければならない、あるいは南京事件については実数については異論があるというように書かねばならないというように定められました。また公民については政府見解がある場合にはそれをきっちと書かなければならないというように定められました。
これを踏まえて各教科書は書かれなければなりません。拉致問題もそうですし、日本の領土問題もそうです。諸外国の不法支配なども書かねばならないのです。
このようなことが各教科書は分かり易く書いています。
このような記述の傾向は、既に小学校から変わってきています。
このように我々がかつて問題としたことはかなり良くなってきています。しかしながら根本的な歴史観は残念ながら変わっていません。このことは皆さんのほうが良くご存知のことと思います。我々としてはもうちょっと頑張りたいと思っているところです。
学校が中核となって採択したというところは滅多に無いのです。ただ栃木県の大田原市などは過去4回位採択されており、実績がありますので今回も育鵬社を採択するということになりました。
今年4月から総合教育会議と言うものが開かれることになりましたので、首長の教育に対する考え方がダイレクトに教育委員会に伝わることになります。この会議は年2~3回開催されるのが普通ではないかと思いますが、そこにおいては首長が主催して教育委員会のメンバーを集めて或いは有識者を集めて、教育の方針を議論するということができるようになりました。その際、教科書採択についても「この教科書を採択しなさい」ということはできませんが、教科書採択の方針は首長が発議して教育委員会が認められれば市町村の方針となります。このようなことも含めた「教育の大綱」というものが総合教育会議で定めることができるようになりました。そして大綱に基づいて採択されるということは有り得ることでして、金沢市の歴史教科書はこのような過程を経て育鵬社版が採択されました。
このように安倍政権になりまして随分と変わってきました。
20数年前はどこを向いても教育界は左翼だらけ、マスコミも左翼だらけでしたが、現在はそういうことは無くなりました。しかし教育界は未だ私どもの認識とはちょっと異なるようで、組合とか特殊な状況があります。このため首長さんや教育委員会や教育長という上の方がしっかりと腹を決めてやらなければなりません。
制度的には首長さんが「自分はこんな教育方針でやりたい」ということを教育委員会に呼びかけ、教育委員会が承認すればその方向に向かって進むのです。
教科書採択もこのような方向で行われることになったのです。このように既にレールは敷かれているわけであり、どこまで実現できるかということとなりました。
今年6月に各教育委員会で行われた教科書展示におけるアンケートに皆様方の御協力を頂きました。これらが教育委員会に一応報告されます。しかしそれを教育委員会が参考にして採択するか否かは教育委員会自体の問題なのです。
ただ文科省の方針ではアンケートを参考するという方向でやりなさいと言うことは既に出ているわけです。ただ、これは必ずしもそうしなければならないということではありません。ここら辺はもう少し詰めなければいけないと思っております。

3.採択結果と道徳の教科化等の今後の課題について
横浜等で採択に大変ご苦労され、成果をあげておられる我々の同志の一人に、木上和高さんという方がいらっしゃいます。この方が今年の採択結果をどのように分析しているかを要点のみご紹介したいと思います。
(1) 教科書採択の単独採択化について
ア 今回の採択で、育鵬社は歴史約7万2千冊、公民約6万5千冊と躍進したものの、横浜市と大阪市の2市で約4万5千5百冊と採択数の6割以上を占めており、採択構造は極めて不安定である。この2市がダメになってしまうだけで半減することになります。
イ 採択された29地区はほとんど単独採択地区であり、共同採択地区は2地区(石垣市・与那国町、岩国市・和木町)に過ぎない。また2地区とも1市1町であり2市またはそれ以上の共同採択地区での採択は皆無である。つまり単独採択ですと首長さんの意向が反映されますが、共同採択になりますと共同の3ツか4ツの市町村が集まって議論するわけであり、教育委員以外の人が入ってきて議論することもあります。そうなりますと一つの市町村がこのようにしたいと考えてもそのようにはいかないということになります。全ての首長さんが一致してそれぞれの教育委員会に働きかけるというようには現実としてできないのです。
ウ 将来ともに安定した採択数を確保するためには、採択地区の裾野を拡大する必要があるが、そのためには採択地区の単独採択化が不可欠である。
埼玉県や千葉県は共同採択地区が多くあります。このような所になりますと、ある市長さんがこうしたいと考えてもお隣の市町村ではそう考えないというこになります。やはり人口の多い地区で地元の教育をこのようにしたいと思っておられる首長さんが数を増やしていくためには単独採択をすすめることが重要な基盤となってくると考えられます。
エ 各地区の教育委員会は単独採択化に極めて消極的です。このため教科書無償措置法を改正する必要があります。とはいっても無償措置法ができたのは昭和30何年です。この法律を作った方にこの法律の趣旨を聞いたことがあります。当時は「組合の力が極めて強いので、共同採択であれば、日教組の特異な意見でまかり通り事は無いであろう」と考えたとのことです。ある程度市町村が集まって決めるようにすれば、教員や組合の力を少し和らげることが出来ると考えたのです。このため共同採択を進めたのですが、今や共同採択が30年も40年も続いています。
そこで法律的に、後でも申し上げますが、単独採択を基本とする、共同採択を解消すると言うことが必要でしょう。
(2)道徳の教科化への対応について
次いで、私どもの考えの2番目です。これから道徳の教科化が正式に始まります。
採択は、中学校では平成30年の予定です。はっきりと決まったわけではありませんが、育鵬社も道徳教科書を作成し、採択の一つに加わりたいと考えています。
道徳の教科書内容は、文部科学省が以前作成しました副教材「私たちの道徳」がありますので、歴史・公民のように目をひんむくようなことにはならないと思います。
そこで育鵬社は私どもが昔から馴染んでいたような修身の教科書のように歴史と伝統を重んじた、より現代に適合した教科書を作成する予定です。
そこで道徳の教科化への対応で私たちにできることを考えてみると次の通りです。
ア 方針
道徳の教科化を控えて、学校・地域・家庭における道徳教育の充実を図るための取り組みを推進する。
イ 具体的には以下の取り組みを進める。
① 道徳の教科化の先行実施
文科省の学習指導要領の特例を定める告示に基づき、可能な範囲で先行実施するように教育委員会に要請する。
② 道徳教育振興条例の制定
今年8月、大阪府泉佐野市の教科書採択では歴史・公民とも育鵬社を採択して頂きました。この泉佐野市の千代松市長が道徳教育を推進するという条例制定の議論がなされています。そういう動きを全国各地で今後進めていければなぁーと考えています。
③ 以上の取り組みを通じて道徳教育についての世論喚起を図り、平成30年に予定される中学校道徳教科書採択の地ならしを行う。

4.教科書採択の単独採択化について
次に、単独採択化についてですが、木上さんを中心に既に請願や働きかけをすすめてもらっているところですが、どういうことかと申しますと次の通りです。
(1) 目的
目的は二つあり、一つは「教科書採択地区をすべて教育委員会単位とすること(単独採択化)により、地方教育行政法と教科書無償措置法との矛盾の解消」です。
これは前回の採択時に石垣市と与那国町、竹富町の共同採択において、採択が既に決まっていたにもかかわらず竹富町が東京書籍でなければ嫌だと、寄付金で教科書を購入したという違法状態を強行したことがありました。そこで無償措置法を改正し竹富町を共同採択地域から分離独立させました。地方教育行政法は本来採択は市町村で実施となっているため、共同採択と単独採択で矛盾が出て来る状況になったわけです。
このような解消にも単独採択は役立つわけです。
目的のもう一つは「教科書採択の権限と責任との明確化、教育方針・教育施策との整合性の確保及び教科書採択制度の簡素化を図る」です。
この教育方針・教育施策とは先程出てきました教育の大綱、市町村では教育ビジョンとか、教育振興計画とかいろんな言い方をしますが、基本的には「こんな教育を目指したい」というものです。金沢市のようにわが町は神話とか歴史・伝統を尊重する教育を行い、採択もその方向で行うという文言が入ることにより、教育委員会は役所ですのでその方針で動かざるを得ないということになります。しかし共同採択の場合は仮に1市がそのような方針であっても隣の市がそうでなければ矛盾が出てきますし、折角、わが町は日本の文化や伝統を尊重すると言っても隣の町がそのような方針でなければ共同採択ではなかなか伝統文化を尊重する採択にはならないわけです。ということですので地域独自の特色をもった教育を目指しているのであれば単独化すれば良いというわけです。
(2)改正案
教科書無償措置法を改正し、教科書採択はすべて教育委員会単位の単独採択とする。具体的には
ア 共同採択制度を廃止する。
イ 政令市に複数の採択地区設定を認めている特例を廃止する。
アについては分かると思いますが、イについては、かつて大阪市などは区があって、そこで教科書を採択しています。横浜もかつてはそうだったのですが、数は大きくても横浜市は横浜市の、大阪市は大阪市の教育方針に沿って、単独採択にするという法律にできないものかということです。
(3)具体的理由としては
ア 地方教育行政法と教科書無償措置法の矛盾の解消
共同採択制度の下では、採択地区協議会の決定に拘束力があるので、どの教育委員会も希望する教科書が使える保証がなく、教科書採択を教育委員会の権限と定める地方教育行政法の趣旨と矛盾する。教育委員会単位の単独採択とすることによりこうした矛盾を解消する。
イ 教科書採択の権限と責任の明確化
採択地区協議会の委員には教育委員会以外の事務職、保護者、学識経験者などが参加できるため、教育委員の意向に反する教科書が採択される可能性がある。単独採択であれば教育委員会の合議により採択されるので、採択権者である教育委員会の権限と責任が明確となる。
ウ 教育方針や施策との整合性
教育ビジョン、教育振興基本計画など教育方針や施策は教育員会ごとに策定される。従って、教育委員会が教育方針や施策に照らして最もふさわしい教科書を採択することが望ましい。
エ 「共同採択制度の意義(文科省)」の形骸化
もともとは昭和30年代に日教組等に影響されることの無いように共同採択制度を作ったのですが、形骸化しているのではないかという主張です。
① 教科書内容の綿密な調査研究
調査研究は近隣の市町村が共同で行ったとしても採択はそれぞれ単独で行えばよく、すでに多くの地区で行われており問題は無い。
共同採択している理由は我が町が全教科を調査して検討することはできないということで共同で調査研究をやって、その中で共同採択しようというものでした。その方が調査研究が行き届くということが共同採択の意義の一つだったのですが、現在の文科省の見解では調査研究は共同でやって行けばよい。その報告を受けながら各教育委員会が独自で採択しても構いませんよということが既に文科省の通知で出ています。ということは共同採択の意義が薄れつつあるのだと言うことです。
② 教員の共同による教材研究や授業研究
隣の市との間で教科書が違うということになれば教育格差が出るのではないかという見方もあります。しかしこれは教科書が違っても大きな支障はなく、政令指定都市、川崎市などですが、地区により異なる教科書の採択を認めていることと矛盾します。
③ 児童・生徒が同一採択地域内で転校する場合の便宜
こうした転校のケースが頻繁にあるわけでなく、政令市内で地区により異なる教科書の採択を認めていることと矛盾する。
④ 教科書の迅速かつ確実な供給
単独採択により細分化されても、教科書の供給体制に特に支障はない。高校教科書は学校単位の採択であるが問題は生じていない。
オ 政令市が複数の採択地区を設定することの問題
① 教育方針や施策に照らして最もふさわしい同一の教科書が採択されることが  望ましい。地区ごとに異なる教科書を使用していると新たな教育施策を講じる時にもやりにくい。市として統一した方針を出しているにも異なる教科書を使用するなどは如何なものか?
② 共同採択制度の意義としている教材研究のやり易さや引越し時の児童生徒の便宜とも矛盾する。
③ こうした理由から全市を1採択地区に統合する政令市が相次ぎ、現在市内に複数の採択地区を設定している政令市は川崎市のみである。その川崎市でも、平成27年度の中学教科書採択では、全採択地区(4地区)で全教科同一の教科書を採択しており、採択地区を分ける意味も薄れている。
カ 教科書採択制度の簡素化
共同採択制度や政令市の特例を設けることにより、教科書採択制度が複雑化し矛盾を生じる原因にもなっている。教育委員会単位の単独採択とすれば、余計なルールや取り決めを設ける必要が無く、採択制度が単純明確になり矛盾も解消する。
(4)日程
日程は次回の小学校教科書採択の前年(平成29年)までに法改正を行う。というように私どもは考えているところです。
5.「特別の教科 道徳」についての請願について
次いで道徳の問題です。これも例えば、このような請願を推進していくというのはどうでしょうか?というものです。
(1) 請願事項
ア 従来の道徳の時間が「特別の教科」と位置づけられることに伴い、平成27年4月1日から平成30年3月31日までの間(小学校の場合)及び平成31年3月31日までの間(中学校の場合)においては、学習指導要領の特例を定める告示に基づき、可能な限り改正後の学習指導要領の各規定によるようにして頂きたい。
ということで、改訂になった際の学習指導要領で道徳を推進して頂きたい。道徳を盛り上げていく雰囲気を早くから作って頂きたいという趣旨です。
イ 上記の特例の期間においては、文部科学省の道徳教育用教材「私たちの道徳」を主たる教材として活用して頂きたい。教材は教科書ではありませんが、副読本として文科省が作った、これを使って早くから道徳教育をして頂きたい。
ウ 「私たちの道徳」を家庭や地域で活用を図るため、保護者や地域住民向けの説明資料を作成し説明会などを実施していただきたい。
「私たちの道徳」が作られていますが、各学校ではこの教材は使われておらず、置いたままであるとか、一種のサボタージュのようなことが行われているというようなことがありました。これを是正するよう文科省も指導をしておりますので、表面上は配られた教材を使って授業がなされているはずではあります。しかしより一層の活用を図るため説明資料等を作成し説明会や講演会などをして頂きたい。そうすることにより更に道徳教育の雰囲気が盛り上がっていくのではないかと考えるのです。
エ 道徳教育の推進を主に担当する「道徳教育推進教師」については、校務分掌組織に「道徳教育に関する事項」を定め、主幹教諭(総括教諭)をもって充てて頂きたい。道徳教師は戦前の修身では校長先生等がやるということになっていたのですが、学校教育の要みたいな所があります。勿論、若い先生が熱心にやっていただくのは結構ですが、推進教師を決めて教材をしっかりと活用して、道徳を高めていくような推進教師の役割を、比較的地位の高い、権威のある方になってもらいたいという趣旨です。 形骸化させない、忙しいので片手間にやるということが無いように、そのための要望でございます。
(2) 請願(宛て教育委員会)の理由
ア 従来の道徳の時間を「特別の教科」と位置づける学習指導要領の改正がされてから施行されるまで3~4年の期間があります。この期間について文部科学省は、学習指導要領の特例を定める告示により、現行の学習指導要領の各規定にかかわらず、その全部又は一部について、改正後の学習指導要領の各規定によることができることとしました。この期間に学ぶ児童生徒が機会損失により不利益を蒙らないように、学習指導要領の特例を定める告示に基づき、先行実施するようにお願い致します。
イ 上記の特例の期間は、まだ道徳の検定教科書が準備されていません。(小学校は29年採択予定です)文部科学省の道徳教育教材「私たちの道徳」は、改正後の学習指導要領の各規定にほぼ適合しています。これは下村前大臣が作らせたもので、きっちりとできています。また昨年、「『私たちの道徳』活用ための指導資料」が作成され、より効果的に活用できるようになり、特例の期間に使用する主たる教材としてふさわしいと考えます。短いながらも偉人伝や名言(格言)が取り入れられており、マナーを学ぶことも可能です。このように、きちっと教育できる資料はできておりますので先行実施に全然問題ないと考えます。
ウ 文部科学省は、「私たちの道徳」を学校に備え置くのではなく、児童生徒が家庭に持ち帰って家庭や地域でも活用できるように、対象児童生徒に確実に配布し、夏季・冬季等の長期休みの際にも持ち帰らせることなどを重ねて要請しています。
しかし、家庭に持ち帰っても保護者や地域住民に予備知識が無ければ、効果的な活用は期待できません。学習指導要領でも「家庭や地域社会との共通理解を深め、相互の連携を図ること」とされています。つきましては、保護者や地域住民向けの説明資料を作成し、あらかじめ説明会などを実施するようにお願い致します。
いわゆる物語の読み聞かせとか、親子で一緒に読むとかというのは教育上極めて効果が高いと考えています。できれば歴史・公民でも一緒にやって頂ければ良いのですが、少し高度なので親御さんが子供さんから質問を受けた際に困ることもあると思われます。しかし道徳教材は単なる偉人伝であったり、読み物であったり、名言であったりするわけですから、それは大人の今迄の経験で色々と語れるところがあろうかと思われます。一緒に読むだけでも効果がると思います。家庭教育も教育全般の中では大きい役割を果たします。
エ 学習指導要領では、「学校における道徳教育は、特別の教科である道徳を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳科はもとより、各教科、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、生徒の発達段階を考慮して、適切な指導を行わなければならない」そのために「各学校においては、道徳教育の目標を踏まえ、道徳教育の全体計画を作成し、校長の方針の下に、道徳教育の推進を主に担当する教師(道徳教育推進教師)を中心に、全教師が協力して道徳教育を推進すること」(中学学習指導要領)と定められています。このような教育を効果的に推進するためには、校務分掌組織に「道徳教育に関する事項」を定め、「道徳教育推進教師」には全教師の協力を得るうえで指導力のある主幹教諭(総括教諭)をもって充てることがふさわしいと考えます。
制度的には道徳教育を学校ぐるみで行い、モラルを高める。我々は将来日本をしょって立つんだという意識を道徳教育だけでなく、他の教科も含めて推進しなければいけない。しかしながら他の教科書では日本人の国民を育てるにふさわしいと言い難い教科書がありますので、週一回は文部科学省の教材を使って道徳教育を実施すべきと考えるのです。我々の歴史・伝統をきちんと踏まえ、これを身につけた子供たちに育っていただきたい。ひいてはそれが日本の将来を良くすることにつながるのではないかと思います。
各学校で使用している教科書の9割は従来からの教科書でありますので「自衛隊に関しては憲法違反という意見もあります」と書かれていたり、まるで安倍政権が憲法違反の暴走しているかのように思える教科書になっているのが現状であります。
これを打破すべく育鵬社は頑張っているのですが、もう少し伸ばすことはできるかもしれませんが、これが9割になるということは遠い夢のような話ですので、そこまでは待てません。この現状を打破することが重要です。
そこで、道徳教育を校長以下が推進することとなれば、教育の雰囲気はガラット変わると思われます。育鵬社の教科書も増えるかもしれません。それはアメリカのレーガン政権の時に教育を中心に保守革命というものが起こったと言われていますが、そういうことが教科書特に道徳教育を梃子にして起こし得ないか、教育の立て直しができないかと考えるわけです。



☆日本の誇りを取り戻す中学校教科書採択への活動
  皆様のお住いの市区町村への請願または陳情について(お願い)

[趣旨]
平成27年度は各自治体の教育委員会において公立中学校教科書が採択される年度です。
この採択は4年ごとに行われ、一度採択された教科書は4年間同じものを使用します。
一方、戦後の占領下で作成され一度も見直されずに来た「教育基本法」及び「教育三法」が平成18年から行われている「教育再生」により逐次改正され、これに基づく中学校の新「学習指導要領」は平成24年から全面適用されています。
しかし新学習指導要領に基づいて書かれた教科書が採択されるのは今回が初めてです。
また本年4月からは教育委員会制度が改正され、首長も教育長の任免や総合教育会議の主宰という形で教育行政に一定の関与ができるようになります。これらのことから平成27年度の中学校教科書の採択の意義は極めて大きく且つ重要と言わざるを得ません。(詳細は偕行1・2月号「敗戦時の教育改革と教育再生」を参照、なお、同趣旨の内容は別紙参照)
そこで皆さま方のお住いの市区町村に中学校教科書を採択するにあたって、改正された教育基本法や教育三法及びこれに則して改正された新学習指導要領の趣旨に適合した中学校教科書を採択するよう請願あるいは陳情をしていただきたくご協力をお願いします。
[請願あるいは陳情による効果]
「請願」とは、国民に認められた憲法上(第16条)の権利であり、地方公共団体の機関に対して意見や希望を述べることであり、提出された「請願」は所管常任委員会に審査を付託し、その審査の結果を本会議に報告し、議会としての採択、不採択の決定をします。また 採択した請願は、議会、執行機関双方に実現への努力が要請されるため、請願事項は極めて有効です。
請願書を提出する場合は市区町村議員の紹介が必要です。議員の紹介の無いものは「陳情」として受け付けられます。陳情の内容、形式などの要件が請願に適合していると市区町村議長が認めたものは、原則として請願に準じて取り扱われます。
東京都及び都内各区は「請願」と「陳情」との扱いは同等とされていますが、市区町村によっては、陳情は「聞き置く」だけのところもあるようです。
また市区町村によっては教育委員会規則により教育委員会への請願書・陳情書の提出を認めているところもあり、受付されれば、それなりの効果があると思われます。

[提出先]
 憲法16条に基づく請願、またはこれに準ずる陳情の提出先は市区町村議会議長です。
 市区町村の教育委員会規則に請願・陳情の受付が規程されている場合の提出先は教育委員会委員長(兼教育長)(兼ねては平成27年4月1日から)です。

[請願または陳情のどちらを行うか]
 請願または陳情した事項が採択されることが最も重要です。このため憲法第16条に基づく請願または陳情をする場合は、議会勢力や議会の開催時期等に影響されますので、お知り合いの市区町村の議員の方に相談して下さい。この際、お知り合いの議員が不在の場合は陳情で行なってください。
また市区町村の教育委員会規則に請願・陳情の受付が規程されている場合は、同規則に基づきより効果的な方で行ってください。

[提出時期]
提出時期は各市区町村の教科書審議会から教育委員会が意見提出を受ける前(6月下旬から7月上旬)の努めて早い時期が適切と思われます。ただし今年は春の統一地方選があり、選挙前の審議未了事項は廃案となる可能性があります。お知り合いの議員がいらっしゃる場合は提出時期についても当該議員と相談してください。
(憲法第16条に基づく請願・陳情の場合で、統一地方選が無い市区町村に住んでおられる方は努めて早い時期に、また統一地方選があり選挙前の審議未了事項が廃案となる市区町村にお住まいの方は5月1日(連休中のため次の平日は7日となるため)に提出することが望ましいと考えられます。また市区町村の教育委員会規則に請願・陳情の受付が規程されている場合は、教育委員会の新体制(4月1日)以降の努めて早い時期が望ましいと思われます。)

[請願(陳情)書の提出要領]
1.請願(陳情)書の書式は各市区町村により異なります。
各市区町村のホームページからダゥンロードし、当該書式に基づき記入し、議長(または教育委員会委員長)宛に提出してください。
2.この際、提出者の住所・氏名について、法人や団体の場合は、その代表者名で記入してください。また、署名簿などを添付される場合は「代表者○○○ほか○○名」と記入してください。
3.請願(陳情)理由を記述しなければなりませんが、字数が制限されている場合があります。請願(陳情)理由の文例(短い文例と長い文例)を最後に参考として付けておりますのでご活用下さい。
4.請願書提出にあたっては、紹介議員の署名か押印が必要ですので、お知り合いの協力していただける議員に協力を依頼して下さい。なおこの際、知人の議員が居ない場合は同様の書式で行う「陳情」という方法を活用して下さい。

参考:[請願(陳情)理由の例]
(短い請願(陳情)理由例)
1.願意:○○市において新学習指導要領にのっとった中学校教科書を採択していただきたい。
2.理由:戦後占領下で定められた「教育基本法」及びこれに基づく「教育三法」並びに「小中学校学習指導要領」等が平成18年以降逐次改正されました。平成27年度は、これら改正に基づく初めての中学校教科書の採択です。採択にあたっては従来に捉われることなく、これら改正事項を最も踏まえた最適の教科書を採択していただきたく請願します。

(長い請願(陳情)理由の例)
1.請願(陳情)の趣旨
新学習指導要領に基づく中学校教科書を採択していただきたい。
2.請願(陳情)の理由
平成18年12月に60年ぶりに「教育基本法」が改正され、さらに平成19年6月に教育三法(「学校教育法」、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」、「教育職員免許及び教育公務員特例法」)が改正されました。またこれらに基づき平成20年3月に「小中学校学習指導要領」が文部科学大臣告示により改訂され、平成24年から施行されています。
その基本的考え方は『教育基本法改正等で明確になった教育の理念を踏まえ「生きる力」を育成し、(中略)道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成』とあり、教育内容の主要な改善事項の一つとして「伝統や文化に関する教育の充実」が挙げられています。このため国語では「ことわざ、古文・漢文の音読など古典に関する学習を充実」、また社会では「歴史教育(国の形成、近現代史の重視等)、宗教、文化遺産(国宝、世界遺産等)に関する学習を充実」するとある。さらに算数、音楽、美術、技術・家庭では「そろばん、和楽器、唱歌、美術文化、和装の取扱いを重視」が、保体/中1・2では「武道を必修化」が、また総合的な学習の時間の学習の例示として、「地域の伝統と文化」がそれぞれ追加されています。
このような改訂がなされた初めての中学生教科書の採択が平成27年度です。
そこで○○市教育委員会におかれましては、平成27年度の中学校教科書の採択は、従来とは大きく異なるということを前提に新教育基本法、教育三法及び新学習指導要領にのっとった最適の教科書を採択していただきたく請願します。

入会促進特別委員会